性格を変えなくてもできる、”心を守る距離感”の作り方
朝、出社してすぐに、その日の「機嫌」を確認してしまう。
挨拶の返し方、ドアの閉め方、ちょっとした一言のトーン。そういうところから、なんとなく「今日は当たりかな、外れかな」を予想してしまう人が、職場にひとりはいないでしょうか。
機嫌がいい日は普通に話せるのに、機嫌が悪い日は同じ質問をしても素っ気ない。むしろ怒られる。理由は自分の側にはなくて、ただ「その人の機嫌」という、こちらには操作できない変数のせいだったりする。
これ、地味だけどけっこう消耗します。今回は、そんな「機嫌で態度が変わる人」と、なるべく心をすり減らさずに付き合っていくための工夫についてまとめてみました。
なぜこんなに疲れるのか
機嫌で態度が変わる人がしんどいのは、内容そのものより「予測できないこと」がしんどいからだと思っています。
同じ強さで怒られるとしても、理由がはっきりしていれば「気をつけよう」で済みます。でも、機嫌に左右される場合は、こちらが何をしても関係なく結果が変わる。今日は普通に話せた言い方が、明日は同じ言い方で不機嫌のスイッチを押してしまうこともある。
そうなると、無意識のうちに毎日その人の顔色や声のトーンをチェックする癖がついてしまいます。これが積み重なると、直接何かをされていなくても、そばにいるだけで気疲れするようになります。
自分の感じ方が変というわけではなく、そもそも「予測できないもの」に人はストレスを感じやすい、というだけの話だと思います。
前提:性格を変える必要はない
こういう話をすると「もっと強くならないと」「気にしすぎ」というアドバイスが飛んでくることがありますが、個人的にはそこはあまり信じていません。
気にしすぎる性格を無理に直そうとするより、距離感の取り方を工夫するほうが、ずっと現実的で続けやすいと思っています。相手を変えることも、自分の感じやすさを変えることも、どちらも時間がかかるうえに自分でコントロールしにくい。でも「関わり方の量や形」は、自分の工夫次第で調整できる余地があります。
というわけで、実際にやってみて効果があった工夫をいくつか紹介します。
距離感を作る、5つの工夫
① 機嫌の”予報”を、自分から立てにいかない
出社した瞬間に相手の顔色をチェックしてしまう癖、これ自体をやめるのが実は一番効きました。
「今日はどうかな」と探りにいくと、結局その日一日、相手の機嫌に自分のアンテナを合わせ続けることになってしまいます。あえて確認しにいかず、必要な用件だけを淡々と伝える。これだけで、相手の機嫌に振られる時間がぐっと減りました。
② 会話を”ルーティン化”する
雑談や様子見の会話を減らし、必要な報告・連絡・相談だけをテンプレートっぽくこなすようにしました。
「おはようございます」「〇〇の件、確認お願いします」というように、感情のやり取りを挟まない、業務連絡としての会話に絞る。機嫌のいい・悪いに関係なく、同じトーンで同じように話しかけるようにすると、相手の反応に一喜一憂する頻度が減ります。
③ 不機嫌な反応は、その場で”持ち帰らない”
素っ気ない対応をされたとき、そのまま自分の中で何度も再生してしまうと、一日中モヤモヤが続きます。
「今日はそういう日だったんだな」で終わらせて、内容を持ち帰らないようにする。これは慣れが必要ですが、「相手の機嫌は相手の課題であって、自分の課題ではない」と分けて考えるようにしてから、帰り道の気疲れがだいぶ減りました。
④ 相談先を、その人以外にも作っておく
機嫌に左右される人が、たまたま仕事の相談相手でもある場合、これが一番厄介です。
そういうときは、同じ内容を別の人にも確認できる状態を作っておくと安心です。「一人に依存しない」というだけで、機嫌の悪い日に萎縮して相談を諌めてしまう、ということが減ります。
⑤ 自分の態度は、いつも同じにしておく
相手の機嫌が上がったり下がったりする中で、自分まで態度を合わせて変えてしまうと、余計に振り回されているように感じてしまいます。
機嫌がいい日も悪い日も、自分はいつも同じトーン・同じ丁寧さで接する。これを決めておくと、「相手の機嫌に振り回されていない自分」という感覚が持てて、地味に気持ちが軽くなりました。
フェアに言っておきたいこと
念のため書いておくと、機嫌で態度が変わる人が「悪い人」というわけではないと思っています。忙しさや、その人自身の事情、余裕のなさが背景にあることも多いはずです。
それに、今回紹介した工夫も、すべての職場・すべての関係にそのまま効くとは限りません。あくまで「距離を取れる余地がある関係」での工夫であって、上下関係が強すぎる場合や、パワハラに近いレベルの場合は、距離感の工夫だけでは対応しきれないこともあります。そういうときは、社内の相談窓口や、総合労働相談コーナーのような外部の窓口も選択肢に入れていいと思います。
まとめ
機嫌で態度が変わる人と一緒に働くのは、地味に消耗します。でも、性格を変えたり、無理に強くなろうとする必要はなくて、「関わり方の距離感」を少し変えるだけでも、気疲れの量はけっこう減らせます。
- 機嫌を自分から確認しにいかない
- 会話をルーティン化する
- 不機嫌な反応を持ち帰らない
- 相談先を分散させる
- 自分の態度はいつも一定にする
全部を一気にやらなくても大丈夫です。ひとつでも「これならできそう」と思ったものから、試してみてもらえたらうれしいです。
職場の人間関係のめんどくささは、今回の「機嫌」だけでなく、まだいくつかテーマがあると思っています。また別の切り口でも、少しずつ書いていくつもりです。


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