不安を”気持ちの整理”で終わらせず、実際に手を動かしてみた話
以前、「DXを進めようとすると、不安を感じる人も出てくる」という記事で、”AIに仕事を取られるかも”という不安そのものについて書きました。
あの記事は、不安な気持ちとどう付き合うか、という心の持ち方の話が中心でした。今回はもう一歩進めて、【じゃあ実際に、何をしておけばいいのか】という、具体的にできることの話をまとめてみます。
不安を感じたまま何もしないでいるのも、逆に焦って手当たり次第に手を出すのも、どちらもちょっとしんどい。というわけで、自分なりに落ち着いて考えて、実際にやってみたことを紹介します。
前提:仕事が「なくなる」より「変わる」の方が近い気がする
事務仕事がAIに置き換わる、という話をすると、つい「自分の仕事がゼロになる」というイメージで捉えてしまいがちです。
でも実際に自分の仕事を分解してみると、全部が置き換わるわけではなく、【中身の比重が変わっていく】という感覚のほうが近いように思います。入力・整理・定型の確認作業のような部分は効率化されやすい一方で、判断が必要な部分や、人とのやり取りが必要な部分は、そう簡単には置き換わらない。
「なくなる」で止まって不安を抱え続けるより、「変わる」という前提で、変わったあとの自分の立ち位置を考えるほうが、気持ちの上でも動きやすいと感じています。
今からできること、5つ
① 自分の仕事を、いったん分解してみる
まずやったのは、自分の一日の仕事を書き出して、「単純な入力・確認」と「判断・調整・人対応」に大まかに分けてみることでした。
書き出してみると、思っていたより「判断」や「人対応」の部分が多いことに気づきました。この分け方自体に正解はありませんが、【自分の仕事のどこが変わりやすく、どこが変わりにくいのか】を一度自分の言葉で整理しておくと、漠然とした不安が少し具体的になります。
② 暮らしや作業の中で、小さくAIに触れてみる
いきなり仕事のやり方を変えるのではなく、まずは暮らしの中の小さな作業で試してみました。文章の下書きを整えてもらう、調べものの取っ掛かりをもらう、といった軽い使い方です。
大げさな導入ではなく、【触ってみたら、思ったより特別なものじゃなかった】という感覚を先に持っておくと、いざ仕事の場面で話題になったときにも、身構えすぎずに向き合えます。
③ 「判断」と「人対応」の比重を、意識的に増やす
日々の仕事の中で、判断が必要な場面や、相手の事情を聞いて調整する場面は、意識していないと”作業”の中に埋もれてしまいがちです。
「これは自分が判断して進めた部分だ」「ここは人とのやり取りが必要だった部分だ」と、自分の中で意識して言葉にするようにしました。これは今すぐ何かを変える工夫というより、【自分の仕事の中の”人にしかやりづらい部分”に、自分で気づいておくための工夫】です。
④ 職場のルールや改善に、自分から関わってみる
これから何かのやり方が変わっていくとき、決まったことにただ従うだけの立場と、決める過程に少しでも関わった立場では、心の持ちようがだいぶ違います。
小さな業務の見直しやルール作りの相談があったときに、様子見せず一言意見を出すようにしてみました。以前書いた「改善を嫌う人に、どう改善を進める」の記事とも重なりますが、【変化の”外側”にいるより”内側”にいたほうが、不安は小さくなる】という実感があります。
⑤ いつでも動ける状態を、保険として整えておく
最後は、少し現実的な話です。仕事の中身が変わっていくとしても、自分の経験やスキルを言葉にできる状態にしておくと、心の余裕につながります。
以前書いた「職務経歴書の書き方」の記事のように、自分の経験を棚卸ししておくのは、今すぐ転職を考えていなくても意味があります。【今の場所で変化に向き合うことと、いつでも動けるようにしておくことは、両立できる】というのが、実際にやってみた感覚です。
フェアに言っておきたいこと
正直なところ、業種や職種によって、AIの影響を受ける度合いはかなり違うと思っています。今回書いたことは、あくまで自分の立場から見えた範囲の話で、「これをやれば絶対安心」というものではありません。
過度に楽観するのも、過度に悲観するのも、どちらも今の自分には合わないと感じたので、【わからないことは、わからないままでいい。ただ、わかる範囲で今できることはやっておく】というくらいの距離感で向き合うようにしています。
まとめ
「AIに仕事を取られるかも」という不安は、気持ちの整理だけで終わらせずに、小さくできることから手を動かしてみると、少し輪郭がはっきりしてきます。
- 自分の仕事を分解して、変わりやすい部分・変わりにくい部分を見ておく
- 暮らしの中で、まず小さく触れてみる
- 「判断」「人対応」の比重に、自分で気づいておく
- 変化のルール作りに、外側でなく内側から関わる
- 経験の棚卸しをしておき、いつでも動ける状態を保険にする
不安をなくすことはできなくても、不安と一緒に、少しずつ前に進むことはできる。そんな感覚で、これからも仕事と付き合っていきたいと思っています。


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