転職が多い人の職務経歴書|「ちゃんと考えて動いてきた人」に見える書き方

退職後・再スタート

転職活動の入口が決まって、いざ書類の段になると、必ずつまずくのが職務経歴書だ。

とくに転職回数が多いと、「これ、書けば書くほど不利になる気がする…」という気持ちになる。職歴の欄がどんどん長くなっていくのを見ながら、自分でもちょっと引いてしまう。あの感覚、経験がある人にはわかると思う。

在職中の転職活動について書いた記事で、「職務経歴書の書き方はまた別記事で」と予告していたので、今回はその回収編。転職回数が多めの人向けに、職務経歴書をどう組み立てるかという話をしたい。

転職が多い=不利、とは限らない

先に結論めいたことを言ってしまうと、転職回数そのものが不利になっているケースは、思っているより少ない気がしている。むしろ、職歴の「見せ方」が整っていないせいで、実際より不利に見えてしまっているケースの方が多い印象がある。

面接官は、転職回数そのものを見ているのではなく、「この人は、なぜそのタイミングで動いたのか」「その先で何を積み上げたのか」を見ている。そこが伝わっていないと、回数だけが目立ってしまう。

だから最初にやることは、回数を隠す工夫ではなく、積み上げてきたものが伝わる組み立てを考えることだと思っている。

職務経歴書の基本パーツ

書き方の工夫の前に、基本の構成を確認しておく。

  • 職務要約:経歴全体を3〜4行でまとめた冒頭部分
  • 職歴:会社名・在籍期間・担当業務
  • 活かせる知識・スキル:これまでの経験から得たもの
  • 自己PR:応募先に対して、自分がどう役立てるか

このうち、転職回数が多い人にとって一番重要になるのが「職歴の並べ方」だ。

時系列で並べるより、スキルごとにまとめる

職歴の書き方には、大きく2種類がある。

ひとつは、時系列に沿って会社ごとに並べていく書き方。もうひとつは、経験してきたことをスキルや役割ごとにまとめる書き方。

転職回数が多い場合、時系列で書くと、会社名と期間の羅列になりやすく、「たくさん移動している人」という印象が先に立ってしまうことがある。

一方でスキルごとにまとめると、「複数の会社で、こういう経験を積んできた人」という伝わり方になる。同じ職歴でも、並べ方を変えるだけで印象が変わる、という感覚は実際にある。

もちろん時系列で並べる方が向いているケースもあるので、それは後半で触れる。

実際に効いた気がする、書き方のコツ

各社の経験を「共通してできること」でくくる

会社ごとに担当業務を書くだけでなく、「複数の職場を通して、こういうことが一貫してできる」という一文を添えると、職歴が積み上げに見えやすくなる。たとえば、業種は違っても「初めての環境に早く慣れて、すぐに実務を回せるようになる」というような、共通する強みは意外と見つかる。

在籍期間が短い会社も、”そこで得たもの”で書く

短期間だった職場を、期間の短さから逃げるように省略するのではなく、「短くても、そこで何を得たか」を一文で添える。事実を大きく盛る必要はなく、視点を変えるだけで十分だと思っている。

退職理由は、前向きな言い換えを探す

嘘を書く必要はないけれど、「人間関係が嫌になって辞めた」を「もっと裁量のある環境で働きたいと考えて」のように、同じ事実の別の側面から書くことはできる。記事の逆質問回でも触れたが、事実を変えずに角度を変える、という考え方はここでも同じように使える。

一貫したテーマを1本通す

職歴がばらばらに見えないよう、「自分は何を大事にして動いてきたか」という軸を、職務要約と自己PRで繰り返す。軸があると、複数の会社を経験していることが「ぶれ」ではなく「探してきた過程」に読める。

数字や実績は、事実の範囲で

盛った数字はどこかで矛盾が出る。誇張はせず、言える範囲の事実を、丁寧に書く方が結果的に信用されやすい気がしている。

短期離職があるときは、どう書く?

職歴の中に、1年に満たない在籍期間の会社がある人もいると思う。「これがあると、すぐ辞める人だと思われるのでは」という不安は、実際によく聞く話だし、自分の中にもある感覚だ。

ここは少し工夫の余地がある部分だと思っている。

面接官が本当に気にしているのは、「1回」ではなく「パターン」であることが多い。他の職歴が一般的な在籍期間であれば、1件だけ短いものがあっても、「何かあったんだろう」くらいで流れることは意外とある。逆に短い在籍が何度も続くと、そこは「パターン」として見られやすくなる。

なので、書類の段階でやることは、深く説明しすぎないことだと思っている。職務経歴書には、事実ベースで淡々と一文書けば十分だ。

例:「業務内容が募集時の内容と大きく異なっていたため」「労働条件に相違があったため」

ここで長く事情を書き込むと、書いている側の「気にしている感じ」がそのまま伝わってしまう。深掘りは、書類ではなく面接に取っておく方がいい気がしている。

面接で聞かれたときも、同じ考え方でいいと思う。事実を短く伝えて、恨み言や感情は乗せない。「◯◯という状況があったので、早めに判断しました」くらいの短さで止めておくと、長く説明するより印象がいい。長く話すほど、聞いている側は「まだ引っかかっているのかな」と感じてしまうものだから。

あともうひとつ、これは使うかどうか好み次第だけれど。「良くない環境を見極めて、早めに判断できる」というのは、視点を変えればポジティブな特性でもある。ずるずる残り続けることが、必ずしも正解ではないので。

サンプル(架空の人物・一般化した例)

実際の職歴をそのまま載せるのは特定されるリスクがあるので、ここではまったく架空の人物で、イメージだけ共有しておく。

職務要約(例) 接客業を経て一般事務、その後はWeb運用サポート、広報アシスタントと、業種は変わりながらも「お客様や社内の声を、わかりやすい形に整える」役割を一貫して担ってきました。環境の変化に早く適応し、必要な知識を短期間で身につけて実務に活かすことを得意としています。

このように、会社名や期間を並べる前に「軸」を一文で示しておくと、その下に続く職歴が読みやすくなる。

フェアに言っておくと

スキルごとにまとめる書き方が万能というわけではない。同じ業界で長く積み上げてきた人や、在籍期間が長めの人にとっては、時系列で並べる方がむしろ実績がまっすぐ伝わることも多い。

「転職が多いから工夫が必要」というだけで、「転職が少ない方が正解」というわけでもない。それぞれの職歴に合った見せ方があるという話だと思っている。

まとめ

転職回数の多さは、そのままでは伝わりにくいこともあるけれど、書き方次第で「いろいろな環境で、ちゃんと考えて動いてきた人」という印象に変えられる。

在職中の転職活動の記事でも書いたけれど、職務経歴書は在職中の余裕があるうちに整えておく方がやりやすい。転職の入口を選ぶ記事と合わせて、この記事も参考にしてもらえたらうれしい。


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