在宅でできるお仕事の求人に応募して、面談まで進んだことが何度かあります。
だいたいこんな流れです。
まず「テスト案件」として、【数百円くらい】の記事を1本書く。それに通ると、一次面談。ここがまず不思議なところで、【びっくりするくらいすぐに】通ります。「じゃあ次は、詳しい担当の方から改めてご説明します」と言われて、二次面談へ。
そしてその二次面談で、有料の研修や、ちょっとお高めのスクールを勧められる。金額は【50万円】くらいの回もあれば、【100万円】くらいに届く回もありました。断ると「じゃあ、今回は難しいですね」で、それきり。
これ、実は【10回】くらい二次面談まで進んだ経験があるのですが、そのうち【9回】がこのパターンでした。残りの1回は……今も連絡待ちです(気になる)。
さすがに9割同じ流れだと、「これはもう、ひとつの”型”なんだな」と思うようになったので、今回はその型を分解してまとめておきます。
典型的な流れを分解してみると
順番に並べると、こんな構成になっています。
- テスト案件:【数百円】程度の低単価。ただし、内容自体は決して簡単ではない記事執筆など
- 一次面談:内容は浅め。【なぜか通過が異常に早い】
- 二次面談への切り替え:「詳しい担当の者から」という名目で、担当者が変わる
- やり取りの場所が変わる:クラウドソーシング系のサイトの中ではなく、【ZOOM、チャットワーク、LINEなどの外部ツール】に移ることが多い
- 会社の実績アピール:「AIを使った事業で儲かっている」「海外とも大きく取引している」など、会社のすごさを語られる
- 有料研修・高額スクールの提案:金額は【50万円】〜【100万円】くらい。「これを受ければ、ちゃんと仕事を紹介します」という話になる
- 断ると終了:「じゃあ今回は難しいですね」で、あっさり話が終わる
テスト案件は「釣り」なのか?
これ、気になっているポイントです。
正直、意図がどこまであるかは会社によって違うと思います。ただ、結果として見えてくる機能は、だいたい共通しています。
- 【低単価なのに内容はしっかりしたテスト案件】をこなさせることで、「ちゃんとした仕事の会社なんだな」という信頼感をまず作れる
- テスト案件に通った人だけが次に進むので、「せっかくここまで来たし(頑張って書いたし)」という気持ちが働きやすくなる
- 一次面談が異常に早く通るのは、実は【スキルを見ているわけではない】から、というのが実感としてあります
「釣り」と言ってしまうと少し強い言葉かもしれませんが、少なくとも「本当に仕事内容やスキルを見極めるための面談ではない」ということは、9回中9回、面談を経験してみて感じたことです。
話を、自分で裏取りしてみた
ある面談では、「うちの会社はAIを使った事業をやっていて、すごく儲かっているんです」というアピールをされました。その場で、実績として会社のYouTubeアカウントを紹介されたのですが──ショート動画が【〇十本】あるのに、【視聴回数はどれも二桁台】でした。
さすがに違和感があったので、その場で聞いてみました。
「儲かっているとのことですが、ショート動画の視聴回数が二桁台ですけど、これはどういう理由ですか?」
返ってきた答えは「立ち上げたばかりだから」。
でも、【〇十本】も動画を出していて、しかも海外の大きな企業ともやり取りしているという話をしている会社が、ショート動画の再生数がすべて【二桁台】というのは、正直かなり無理があると思います。普通に伸びているショート動画なら、二桁台で止まることはあまりありません。
さらに、面談が終わったあとにその会社名で検索してみたのですが、【検索してもほとんど何も出てきませんでした】。公式サイトらしきものも、ニュース記事も、法人としての情報も見当たらない。ネットで検索してもまったく出てこない会社が、海外の企業と大々的に取引しているというのは、やっぱり考えにくい話だと思います。
こういう「言われた話をそのまま受け取らず、確認できる数字を実際に見てみる」というのは、けっこう有効な見破り方だと感じました。ポイントをまとめると、こんな感じです。
- 実績として紹介されたSNSやYouTubeなどを、【実際に自分の目で開いて確認する】
- 再生数・フォロワー数・投稿本数など、具体的な数字が話の規模感と合っているか見る
- 会社名で検索してみて、公式サイトや外部の情報がどのくらい出てくるか確認する
- 違和感があれば、その場で具体的に聞いてみる。答えが【ふわっとしている・噛み合わない】場合は、それ自体がひとつのサインになる
「儲かっている」「大きな会社と取引している」という言葉自体は、その場では確認しようがありません。でも、その根拠として出てくる数字は、意外とその場や後からでも自分の目で確認できます。話の内容よりも、確認できる数字のほうが正直だったりします。
値段が、段階的に下がっていく
ある面談では、こんな流れになったこともありました。
「あなたは人当たりがいいから、オンラインセールスの仕事がすごく向いてると思います。ただ、仕事を覚えるための研修費として……【188万円】かかります」
さすがに驚いていると、話はこう続きました。
「それが難しいなら、【88万円】まで値下げできます。それも厳しければ、動画教材だけなら【10万円】でいい。あなたには絶対に向いてるので、なんとか力になりたくて」
188万円→88万円→10万円と、断るたびにどんどん値下げされていく。このやり方は、実は「アンカリング」と呼ばれる価格交渉のテクニックで、最初にわざと高い金額を見せることで、その後に出てくる金額を実際より安く感じさせる手法です。営業の世界ではよく使われるやり方でもあるようですね。
正直、「力になりたい」と言いながらお金を要求してくる時点で、かなり矛盾していると思います。それに、最終的に提示された「動画教材、10万円」というのも、動画教材そのものの原価は、どう考えても数千円〜数万円程度で作れるはずのもの。そう考えると、10万円という金額自体にも、根拠のある値段というより「言い値」に近い印象を受けました。
金額が下がっていくこと自体は、一見「良心的」に見えるかもしれません。でも実際には、「まず高い金額を見せて、下げることで“お得感”を演出する」という、こちらの判断を鈍らせるための技術です。金額が下がったからといって、それが「妥当な金額」になったわけではありません。
これって、実は名前がついている取引です
一晩置いて調べてみたら、この「仕事を紹介する代わりに、お金を払わせる」というパターンには、法律上ちゃんと名前がついていました。業務提供誘引販売取引という、特定商取引法で規制されている取引の一種です(2026年8月時点)。
簡単に言うと、「仕事を提供する・あっせんする」という話で誘って、そのために教材や研修、システム利用料などの【金銭的な負担(特定負担)】を求める取引のことです。この取引には、事業者側にいくつかの義務が定められています。
- 勧誘の前に、事業者の名称や「お金の負担を伴う契約の勧誘である」ということを、はっきり伝える義務がある
- 契約内容を記した書面を渡す義務がある
- 一定の条件を満たせば、契約から【20日間】はクーリング・オフ(無条件での契約解除)ができる
- 事実と異なる説明や、著しく優良に見せる説明は禁止されている
そもそも「仕事に就くために、高額な商品購入や研修費を負担しなければならない」というのは、常識的に考えるとかなり不自然な話でもあります。「研修を受ければすぐ元が取れる」と言われても、実際には思ったような仕事や収入が得られないケースが多い、ということも指摘されています。
見分け方のチェックリスト
これから似たような面談に遭遇するかもしれない人のために、気づきやすいポイントをまとめておきます。
- テスト案件が【低単価】なのに、内容はそれなりにしっかりしたものを求められる。それでもすぐに一次面談に進める
- 一次面談が【驚くほどあっさり】通る(内容やスキルをしっかり見られている感じがしない)
- 「詳しい担当者から改めて」という理由で、二次面談で【担当者が変わる】
- 契約前なのに、やり取りが【LINEなど外部ツール】に移ろうとする
- 仕事を紹介する条件として、【教材・研修・スクールなどの購入】を求められる
- 断るたびに金額がどんどん下がっていく(最初に高い金額を見せて、あとから安く感じさせる「アンカリング」というテクニック)
- 「儲かっている」というアピールの割に、紹介されたSNSやYouTubeの実績(再生数・フォロワー数など)が伴っていない
- 会社名で検索しても、公式サイトやニュースなど、外部の情報がほとんど出てこない
- 断ると【あっさり終了】し、それ以上は何も提案されない
ちなみに、大手のクラウドソーシング系サイトの多くは、契約が成立する前に外部の連絡先(LINEなど)を交換すること自体を規約で禁止しています。応じてしまうと、詐欺被害だけでなく、利用者側も規約違反として利用制限を受ける可能性があるとされています。なので「これから詳しい話をLINEで」と言われた時点で、契約前であれば、それ自体がひとつの警戒サインです。
そしてもうひとつ、シンプルだけどかなり効くルールがあります。「スマホを10分いじるだけで〇万円」のような、作業内容に対して明らかに割に合わない高収入をうたう話は、ほぼすべて詐欺だと思っていい、というものです。細かく見分けるポイントをいろいろ挙げましたが、正直この一言だけでも、かなりの数を避けられると思います。
もし勧誘されたら・進んでしまったら
- その場で契約を決めない。書面をもらったら、最低でも一晩は置いて考える
- 業務提供誘引販売取引に該当する場合、契約から【20日間】はクーリング・オフができる可能性がある(店舗や営業所で契約した場合も対象になる取引です)
- 契約前に外部ツールへの誘導があった場合は、そのサイトの運営に通報できることが多い
- 一人で判断しない。契約してしまった後でも迷ったら、消費生活センター(局番なしの【188】)に相談してみる
- 「もう話を聞いてしまったから」「テスト案件はやったから」と思って義理を感じなくていい。断って終わる関係なら、それでいい
さいごに
10回中9回、ほぼ同じ流れだったと知ったとき、正直「そんなに”型”があるんだ」と自分でも驚きました。
在宅でできる仕事の求人自体が悪いわけではないですし、まっとうな在宅ワークもたくさんあります。ただ、「テスト案件→やたら早い一次面談→担当者が変わる二次面談→外部ツールへの誘導→有料研修の提案」という流れが出てきたら、一度立ち止まって考える価値はあると思います。
わたし自身、その場で流されたことは実はありません。流されるお金がないので、そもそも流されようがない、というのが正直なところです(笑)。「あ、これはそのパターンだな」と思った瞬間に、だいたいその場で断ってしまいます。
ただ、それはそれで別の悩みもあって。毎回早々に断ってしまうぶん、なかなか継続案件にたどり着けないのが今の課題です(´;ω;`)見分けられるようになった分、進める案件が減っている気もして、そのへんのバランスは正直まだ模索中です。
言われた話をそのまま受け取るのではなく、「その根拠になる数字は、実際に確認できるか」を見るようにすると、けっこう見破れる瞬間があります。知っているだけで、その場での判断力がかなり変わってくる気がします。
だからといって、在宅ワークという働き方自体をあきらめてほしいわけではありません。気をつけながら、自分の目標を持って続けていれば、まともな会社や仕事にもきっと出会えると思っています。実際、変な勧誘に何度も遭いながらも、そうじゃない仕事もちゃんと存在しています。
ただ、ひとつだけ強く思うのは──「スマホを少し触るだけで簡単に〇万円」みたいな話は、ほぼ全部詐欺だと思っておいたほうがいい、ということです。細かい見分け方は今回いろいろ書きましたが、正直これだけ覚えておいても、かなりの数を避けられる気がします。
(ちなみに残り1回、まだ連絡待ちの案件がどうなるかは、また追記できたら追記します。)
👉追記:10回目の結果もやはり勧誘でした。。。!!!
出典(2026年8月時点)
- 消費者庁「特定商取引法ガイド|業務提供誘引販売取引」(no-trouble.caa.go.jp)
- 消費者庁「特定商取引法ガイド|事例:データ入力の仕事を提供すると言われた契約した」(no-trouble.caa.go.jp)
- 東京都「東京くらしWEB|基礎知識『内職商法(業務提供誘引販売取引)』」(shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp)

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